2020年12月3日
リン酸処理や消泡剤とはどのような役割や必要性があるのか
消泡剤の仕組みについて
消泡剤とはその文字からもわかるように泡を消すためのもの、またできた泡を消すために用いる添加物のことをいいます。製品をつくる過程の中で泡が発生してしまい製品の形成に支障をきたす場合がありますが、消泡剤を用いることにより液体に泡ができることを防ぐことが可能です。消泡剤はその用途によって様々な種類がありますが、作用を大きく分類すると破泡性と抑泡性があります。破泡性とは発生してしまった泡を破壊する作用があり、抑泡性は泡が発生しないように事前に泡を抑制する作用があるのです。泡が発生するのは液体中に発生する界面活性剤や高分子化合物が関係していて、気体と液体間の界面現象によるものです。
消泡剤の種類やリン酸処理
消泡剤にはシリコーン系消泡剤と有機系消泡剤に大きくわけることができます。シリコーン系消泡剤とは速効性があり、水溶性でも非水溶性であっても対応が可能です。この他に水や溶剤の混入を嫌う油性の発泡液に使われるオイル型や、酸性、アルカリ性発泡液に対して優れた効果がある自己乳化型などがあり、扱う製品によって適した消泡剤を選ぶことが大切です。またリン酸処理とよばれる処理方法は銅の表面を処理することで、表面に不溶性のリン酸塩皮膜をつくるので銅の表面が腐食しないように抑える作用があります。表面処理を行う際に消泡剤を用いて化成処理をすることにより発泡を抑えることができるほか、腐食を防ぐための加工工程において皮膜の性質の変化に影響を与えます。
消泡剤は、食品の製造過程や化粧品、日用品、医薬品などに幅広く使われる添加物です。界面活性剤や高分子化合物などさまざまな種類があります。